自分のグリップの種類がなんなのかあいまいで…
人差し指にマメが…。正しい握り方が知りたい
テニスラケットの握り方は、スイングフォームに直結するため、めちゃくちゃ大切です。
持ち方の種類を知らないと、自分に適したフォームを探しにくくなります。
結果として、ショットがうまくいかなかったり、けがの原因になることも……
また、適切な握り方や人差し指の使い方も重要な要素です。
現役のテニスコーチが、グリップの種類や特徴・持ち方や握り方を図解付きで徹底的に解説し、間違いやすいポイントについても触れていきます。
自分のグリップを理解して、グリップに合ったスイングを身につけ、テニス上達のきっかけにしてください。

〇テニスコーチ歴20年以上
〇女子連B・C・Dを中心に指導
「基礎の先に個性が生まれる」を信条に、独自の指導法を配信
なぜグリップの握り方・持ち方が重要なのか
グリップの持ち方や握り方は、テニスにおけるすべての基盤となります。
グリップの持ち方がそのまま、サーブ・ストローク・ボレーすべてのショットに影響を与えるからです。
- グリップごとにフォームが変わる
- グリップの理解が上達速度を速める
グリップの持ち方・握り方を知らないと、知らないうちに上達の妨げとなります。
目指してるフォームが、自分のグリップに合ってなかったら、大変ですよね。
まずはグリップの重要性について、上記2つを解説していきます。
グリップごとにフォームが変わる
グリップの握り方で、打点やスタンス、フォームといった打ち方が異なります。
| 打点の位置 | スタンス | 体の使い方 | |
| 薄い握り方 | 低く後ろめ | クローズド | 重心移動 |
| 厚い握り方 | 高く前め | オープン | 体の回転 |
薄い握りなのに、厚い握り方の人を参考にしても、うまくいきません。
理想とするスイングが違うからですね。
プロの真似をしても、なかなかうまくいかないのは、このためです。
※体の構造やフィジカルの問題を考えない場合です。
逆に、握り方に最適な打点やスタンスを理解して練習をすれば、身につくのも早くなります。
グリップの理解が上達速度を速める
テニスでは、グリップの握り方一つで、上達度合いに大きな差が出ます。
グリップの持ち方はスイングの基礎にあたるため、そのまま出来に直結してしまうからです。
- 握りすぎは手打ちの原因を招く
- 実力に合っていない握り方は上達を妨げる
- 握り方に適さないスイングはけがの原因になる
グリップの握り方は、良くも悪くもそのままスイングに直結します。
自分の実力に見合った正しいグリップを理解し、最適な握り具合をマスターする!
これが上達速度を高めてくれますよ。
※グリップの握り方にスキップしたい場合はこちら
【図解】テニスラケットのグリップ種類と特徴
| コンチネンタル | イースタン | セミウエスタン | ウエスタン | |
| 打点の位置 | 低い | 低め | 高め | 高い |
| スタンス | クローズド | クローズド~ セミオープン | セミオープン | オープン |
| 弾道 | 低い | 低め~高め | 低め~高い | 高い |
| スピン量 | ☆ | ☆☆~☆☆☆ | ☆☆~☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
| プレー スタイル | ボレー サーブ | コントロール | 強さとスピンの両立 | スピン |
| おすすめ レベル | ー | 初級~中上級 | 初中級~上級 | 中級~上級 |
グリップの種類とおおまかな特徴は上記の通りです。
コンチネンタル・イースタンは薄いグリップに分類され、繊細なショットに適しています。
セミウエスタン・ウエスタンはアツいグリップに分類され、スピンを聞かせた力強いショットが魅力で、上級者に好まれる握り方。
腕力や技術レベル・目指すプレースタイルにより、グリップを使い分けるとよいでしょう。
初心者に最適のイースタングリップの特徴

イースタングリップの特徴
- 扱いやすさ …☆☆☆☆☆
- コントロール…☆☆☆☆
- スピン量 …☆☆
- タッチ感覚 …☆☆☆
- 初心者に最適
イースタングリップは、初心者や女性に扱いやすい握り方です。
ボールを手のひら感覚で打てて、実際のスイングと打球がリンクしやすいからです。
感覚がつかみやすく、コントロール重視にはもってこいのグリップですね。
ただし、スピン量は少なめ。
「強く打つとアウトになってしまう」という方は、スピンがかけやすいセミウエスタンに変えるタイミングかもしれません。
厚いグリップの特徴(セミウエスタン・ウエスタン)

セミウエスタン・ウエスタンの特徴
- 扱いやすさ …☆☆☆
- コントロール…☆☆☆
- スピン量 …☆☆☆☆
- タッチ感覚 …☆☆
- 強さ・スピンに最適
セミウエスタンは、現代テニスの主流であり、中級~上級まで幅広い層に適したグリップです。
速いボールからスピンを効かせたボールまで、力強いボールを打てるのが魅力!
レベルがあがるにつれ、相手のボールの勢いも上がってきます。
セミウエスタンなら、相手のボールの勢いに負けずに打ち返せるため、ストローカーや男性におすすめのグリップです。
また、さらに厚い握り方に、ウエスタングリップがあります。
よりスピン量を増やせるので、しっかりラケットを振って安定させたい!という方に好まれる握り方です。
目指すプレースタイルによって、セミウエスタンかウエスタンかを選ぶとよいでしょう。
薄いグリップの特徴(コンチネンタルグリップ)

コンチネンタルの特徴
- 扱いやすさ …☆☆☆
- コントロール…☆☆☆☆
- スピン量 …☆
- タッチ感覚 …☆☆☆☆☆
- ボレー・サーブに最適
コンチネンタルグリップは、ボレーやスライスなどの逆回転を使用するショットに最適な握り方です。
リーチも長く小技をしやすいため、特にボレーやサーブといった回転を操る場面の多いショットに最適といえます。
その分、難易度は高め。
まずは、イースタングリップから実践し、レベルが上がるとともにコンチネンタルグリップへ変えていくとよいでしょう。
【図解】テニスラケットのグリップごとの握り方

それぞれのグリップは、以下を目安にすることで、正確な握り方となります。
- 人差し指と親指でVの字を作る
- グリップのどの面にVの字が来るかで判断
グリップは、八角形でできています。
八角形のどの部分にVの字があたるかが、握りを間違えない目安。
便宜上、この記事では、ラケットを包丁持ちした際に、グリップの八角形の左上から順に1~8の番号を振って、解説していきます。
実際にラケットを用意して、試してみてください。
コンチネンタルグリップ

Vの字が①に来るように握りこむ
包丁握りと呼ばれる握り方です。
しかし、厳密にいうと包丁持ちよりも少し窮屈な形になります。
イースタングリップ

Vの字が②に来るように握りこむ
左手でラケットの三角形の部分を持ち、前方に伸ばしてください。
右手でラケット面に手を当てて、そのままの形でグリップまで手をおろせば、イースタングリップになります。
セミウエスタングリップ

Vの字が②と③の間に来るようして握りこむ
アルカラスなど、多くのプロ選手が使用しているグリップの握り方です。
ウエスタングリップ

Vの字が③より右回りに来るように握りこむ
地面にラケットを置き、そのまま握りこめば、だいたいウエスタングリップになります。
よりスピン量を増やしたいという方は、さらに右回りにVの字が行くように、握ってみてください。
テニスラケットの持ち方のコツと人差し指の使い方

グリップの持ち方のコツは、4ステップです。
STEP1:小指から握りこむ
STEP2:指の関節を使用して握る
STEP3:人差し指と中指に隙間(指1本分)
STEP4:グリップと手のひらに隙間(指1本分)
グリップは「握る」ではなく「支える」感覚がベスト。
優しく握手するイメージを頭に浮かべるとわかりやすいかもしれません。
上記の手順であれば、握手する感覚のまま、グリップを持つことができます。
逆に、手がグリップにべったりくっついてしまうと、握りすぎの合図です。
握りすぎは手打ちの原因となり、上達の妨げに……。
指の関節をグリップにからめるように握りこむことで、握りすぎを解消できます。
グリップを握る際の注意点

グリップに関する注意点は2つです。
- 人差し指の使い方
- 握りすぎるデメリット
グリップは、テニス基礎のなかでも軽視されやすい技術です。
そのため、上記の2つは気づきずらい落とし穴と言えます。
どちらも、時間がたつほど修正が難しくなるので、今この瞬間から確認をしてみてください。
面がぐらつくのは人差し指が原因!?

ラケット面がぐらつく場合は、人差し指の使い方を見直すとよいかもしれません。
以下の状態になっている場合は、注意が必要です。
- 人差し指が浮いている
- 人差し指を極端に立てている
- 人差し指と中指がくっついている
人差し指は、面の安定に欠かせないパーツの一つ。
指の第1関節と第2関節をグリップにからめるようすれば、面の安定度はぐっとあがります。
握りすぎるとグリップの種類が変わる
グリップは、握りが強いほど厚いグリップに変わりやすくなります。
実際に試してみるとわかりやすいです。
イースタングリップの状態から握りを強くすると、セミウエスタンに変わっていることが。
うまくいかない方は、知らないうちに握りすぎている可能性大です。
さらに、握りすぎは、手打ちの原因にもなります。
グリップの持ち方のコツの手順に沿って、支える感覚のグリップの持ち方を意識しましょう。
H2 グリップを理解して、自分に合ったフォームを手に入れよう
グリップは、テニス上達の「土台」です。
自分の握り方を理解し、適したフォームでスイングできれば、ショットの安定感と再現性が一気に高まります。
まずは、イースタンを基準に正しい握り方を覚え、少しずつ自分に合うグリップを見つけていきましょう。
「支える感覚」で握ることが、フォームの安定とけが防止への第一歩です。


